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第56回 スカイライン・クロスオーバー
四駆か、それなら仕方なかんべぇ!

 以前からスカイラインベースのSUVが国内販売されると、そんな噂が流れていた。 その噂は事実だった。 「四駆か、それなら仕方なかんべぇ!」とばかりに、御殿場周辺で行われた試乗会に出かけてきたる。 <続きを読む>

 
 

本当は恐ろしいクルマに住み着くダニのお話。
クルマとダニの不適切な関係を断ち切ろう!!

 住宅地からドブが消え「ドブさらい」という言葉も死語。年の暮れの風物詩である大掃除を見かけることもほとんど無くなってしまった。
木製建具がアルミサッシに変わり、タタミがカーペット。すだれが網戸に変わった。火鉢がストーブに、扇風機がクーラー、エアコンにと移行した。過去を振り返るわけではないが、ここ30年ほどで日本人の住居、生活ぶりは大きく変化した。
それと同時にクルマも年を追うごと豪華で贅沢を追求し、住宅同様に快適になったことは言うまでもない。万人が認めるところである。
特にクルマの発展とともに時代をすごした団塊の世代の目から見ると、今、日本を走り回っている多くのクルマは高級で贅沢な装備が当たり前のクルマばかりだと目に映る。
快適な住宅事情とクルマ事情の発展は嬉しい限りである。大いに喜んでいい。ところが喜んでいるのは人間だけではないということを知ってもらいたい。
では、何が喜んでいるのか。それは何と、人間が嫌いな害虫である。害虫の中でも嫌われものの代表格である屋内に生息するダニ。
嫌われモノのダニが家の中、そしてクルマの中で連日、大宴会をやっているのだ。
ダニが住宅だけでなく、クルマの中に住み着き、増殖しているという話は、あまり知られていないが、このダニこそがアトピー性皮膚炎や喘息を誘発するアレルギーの原因のひとつと言われている。これこそ「何とかせなあかん」という大問題なのである。

ダニがアトピーを。喘息を引き起こす!!

現在、国民の三人に一人が何らかのアレルギーを訴え、深刻な状況に追い込まれている。喘息、アトピー性皮膚炎、鼻炎。これらアレルギーの原因がダニであることもすでに、証明されている。平成18年度、文部科学省の調査で、現在児童のおよそ3%がアトピー性皮膚炎になっているというデータが出され、幼稚園から高校生の喘息の割合は毎年、喘息有症者が増加。十年前の倍というデータもある。

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  害虫駆除という感覚でダニを見ると、殺虫剤でダニを殺せば、それで話は終わりだ。ところが、ダニの場合はそうはいかない。これが厄介なのである。蚊とか蚤のように殺せばすべてが終わりというわけにはいかないのである。
「ダニ」と一言でいっても、屋内に生息するダニ。ペットダニ。街のダニ。いろいろダニはいるけれど、どのダニも関わりを持ちたくない嫌われモノである。
色々なダニの中でも人体にアレルギー症状を発生させるのは屋内に生息するダニ。その中でも代表的なのは人を刺すツメダニ。「ダニに喰われた!」と大騒ぎさせるダニである。アレルギーの誘発要因とされるダニはチリダニ。屋内に生息する90%がこのダニだ。人を刺すことはないが、刺すダニよりタチが悪い。刺されてカイカイでは済まない。アレルギー症状を引き起こすからである。
ここで不気味とも言うべき「ダニサイクル」を紹介しよう。

凄まじい勢いに唖然!
ダニの増殖。不気味なダニサイクル

 いきなり「ダニがいた!」と言われても、どういう経路でダニが家の中やクルマの中に侵入してくるのか、それはわからない。だが、人の衣服に取り付いたダニが人知れず、あちらこちらに振りまかれたり、ペットのネコやイヌによって運び込まれたりするケースも少なくはない。そしてもっとも気になるのは、ダニはどれくらい増えるものなのか、疑問だ。
専門的な知識を持っている人以外、ダニの増殖振りをすんなりと答えることはできない。それに、そんなことを知っていても役には立たないのではないかと思われる。
一般的にといってもダニ関連の検査機関や研究所などでは「30匹のダニは三ヶ月後に1万匹になる」と言われている。しかし、ダニの研究機関で「156匹のダニが環境さえ整えば8万匹に増殖する」という試験結果が報告されている。
現在の住宅、車内環境こそダニにとって環境の整った場所であり五百倍の増殖は実験室での話しではないことがお解かりいただけるだろうか……。
何らかの原因で家やクルマの中に運ばれたダニが、そこを環境の整った場所だと判断したら、家であれクルマの中でガンガンと増殖を始めてしまうことになる。それはもう、ネズミ算の域を超えたダニ算と言うべき増殖を見せるのである。
その凄まじい増殖ぶりに背中に悪寒が走りはしないか。ダニの繁殖力、生命力の強さに恐怖さえ感じる。
例えば十匹のダニが五千匹に増えてしまうのは簡単なことなのだ。増殖するダニには恐れてしまうが、それ以上に恐怖なのがダニの糞。ダニが生き続ける限り糞は出る。
ちなみに8万匹のダニが一生にする糞はなんと4000万個。これはWHOが定めるアレルギー発症レベルのおよそ1200倍、脅威の数だ。
さらに、ダニが誘発するアレルギーの根源は生きているダニより、ダニの糞とダニの死骸。けして生きているダニだけがアレルギーの誘発要因ではないのだ。つまり、ダニは退治しない限り、無限に増殖しダニサイクルに終わりはないということだ。

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人間。死して名を残し、虎は死して皮を残す。
ダニは死してアレルゲンを残すのだ。

 まるで天才バカボンのパパを思わせる小見出しとなったが、チリダニは生きているときはその糞。死んだあとはその死骸がアレルゲンを残す。これらが空中を舞い、それを人間が知らず、知らずの内に吸い込んでしまう。そしてその結果、人体にアレルギーを発症させるのである。
まったく意識のないまま、外出先で衣服にダニを吸着(ダニにたかられる)し、それを室内に持ち込む。ここからダニサイクルが始まる。人間が快適に暮らせる環境はダニにとっても住みやすい。ダニの生息する環境は温度が25度から30度。湿度は60%から80%と言われている。クルマの中はこの条件に当てはまる。家屋の場合ベッドのある寝室、蒲団などの寝具。マクラなどダニが繁殖するために最適な場所と言っても過言ではないのだ。地球の温暖化が進めば、それはダニにとってもっと好都合な快適空間になるのは目に見えている。そこで増殖を開始。糞を撒き散らし、死したダニは死骸を残す。
チリダニの糞は乾き砕けると1ミクロンにまでなり、ハウスダスト状態で車内に飛び散って舞い、人体内に簡単に侵入してくるのである。クルマの中も家の中と何ら変わらない状態になってしまうのである。

あなたのクルマにダニはいませんか?

 突然、このような言葉をかけられたら、どうしますか。
「クルマの中にダニなんて、いるワケがない!」と、信じられない話に、質問を相手にしないであろう。ところが、ダニがどのような環境で増殖を繰り返すのか、ダニサイクルを知ると恐怖が襲ってくるに違いない。どんなクルマでも、その室内に100%ダニがいないという保障はないのだ。超高級車から、格安で手に入れた中古の軽自動車まで、室内にはダニがいるものだと思って間違いない。公共交通機関のバス。あのバスなど一人掛けのシートを調べたところ約八千五百匹のダニが生息していたという調査機関のデータがある。
ダニの生命力を侮ってはいけない。家の中で増殖を繰り返しているダニが衣服につき、その服を着てクルマに乗れば、確実にダニはクルマへと移り住む。豪華仕様が売りの最近のクルマである。毛足の長いカーペット。高級な生地をシート表皮に使ったシートは、ダニに取っては高級マンションそのものだ。家屋同様、エアコンによって快適空間となるクルマの中は、高級マンションというより、ゾート地と言っていいかもしれない。
大抵の人は「まさか、クルマの中にダニがいるなんてありえない!!」と大きな声で叫ぶかも知れないが、それはあなたがアトピー性皮膚炎や喘息の誘発原因にダニが大きく関与していることを知らないだけのことだ。
特に、チャイルドシートを装着しているファミリーカーは、より多くのダニが生息していると見て間違いないだろう。

子供に媚びて甘やかす。これほど危険な行為はない!!

 どこまで続くのかミニバン人気……。こんなことがクルマ業界で囁かれている。ミニバンは、その広い居住空間から、ファミリーカーの王座に鎮座している。休日、ドライブに出れば交通渋滞に巻き込まれ、子供がグズる。チャイルドシートに座らせられた子供にしてみれば身動きが取れない状態である。ワケもなく騒ぎ、グズり、泣き喚く。渋滞に巻き込まれイライラしているのは子供だけではない。大人だって、本当はグズりたい。だが、大人は我慢ができる。グズる子供をなだめるために、飲み物や食べ物を与え、子供を騙し、甘やかす。渋滞とは言え、わずかながらも動いているクルマの中、子供は飲み物をこぼすはビスケットやらセンベイを食べこぼす。日常、よくある光景である。しかし、そのクルマにわずかながらダニが住み着いていたとしたら、食べこぼしや飲みこぼしはダニにとって、カッコウの餌となるのだ。ダニの増殖を誘うだけということが、ダニサイクルを理解できれば納得できるだろう。クルマの中で食べこぼし、飲みこぼしは禁物なのである。アトピー性皮膚炎や喘息の誘発要因を考えたら、とてもできる行為ではない。
多くの人はクルマ内部の汚れには鈍感だ。シートやフロアカーペットについた泥汚れは、神経質なまでに清掃するがビスケットやクラッカー、センベイといった食べ物の食べこぼしは「どうせ食べ物なのだから……」と、指先で払う程度だ。これがいけない。ダニの増殖を誘うことになってしまう。

クルマを磨き上げるのもいいけれど、肝心なのは内部の徹底清掃だ。

 家の中は毎日のように掃除機を掛けて掃除をする。ところがクルマの掃除となると必死になるのは外観、ボディだろう。コイン洗車場でたっぷりの水を使って洗い、仕上げにワックスでピカピカに磨き上げる。室内はダッシュボードやメーター周り。それにフロアマットを水洗いする程度ではないだろうか。
見た目の印象を重視すれば、シートやフロアカーペットは気にならない場所であることは確かであり、ワックスをかけるボディとは扱いが違う。
ところが、シートやフロアカーペットこそがダニの棲家だ。本来ならば外観以上に徹底して掃除をする必要がある。ドアというドアを開け放ち、空気を入れ替え乾燥させる。そして掃除機を使って細かいゴミまで吸い取る。シートやカーペットの繊維に絡みつくようにしているダニを吸い取るのは簡単ではないかも知れない。ガソリンスタンド任せの洗車、室内清掃では、ダニまで吸い取るということはしてくれない。これはダニ対策としてクルマの持ち主が納得するまで、自分の手で清掃するしかないのである。
チャイルドシートを装着しているなら、そのシートと周辺は特に念入りに清掃しなければダニの増殖を促進するだけである。
ダニの糞、砕けた死骸を全部吸い取ってやるという意気込みで掃除するしかない。
クルマの中を食い物のカスで散らかすな。乾燥させておけ。ゴミ、チリは徹底的に掃除するという信念と執念が必要なのだ。

ダニ対策の有効手段は?

 蚊や蚤、ゴキブリのように、殺虫剤で殺しただけでは済まないという、厄介なダニ。死骸をそのままにしていては、アレルギーを誘発してしまう。
では一体、どういう手段を講じればダニ対策になるのだろうか?
ダニの性格を知りぬき、どういうことでアレルギー誘発要因になるのかを理解しなければ本当のダニ対策にはならない。
日常のクルマの手入れでできることは車内を乾燥させておくことと、車内の徹底清掃しか手段はないといっていい。それにダニの餌となるようなモノを室内に残さないというのも有効だといえるだろう。快適な空間を提供してくれる現在のクルマは、住宅の居間と同レベル。走るリビングルームと言って間違いではない。
はてさて、有効なダニ対策は……。
「ダニ捕りロボ」「ダニ捕りマット」なるものをご存知だろうか。元々は家庭用のダニ対策用品だが、これがクルマにも有効だと判断できた。その仕組みはダニが好む誘引剤を使うことで、ダニを集めて容器の内部で処理してしまうという。死骸や糞も同時に処理してくれるという、ダニ対策に頭を抱えている人にはなかなか嬉しい商品。これをクルマ内部に置いておけば、ダニはそこに集中するのである。
ダニ捕りロボ、ダニ捕りマットについてもっと詳しい情報はhttp://www.tcb-j.com (有限会社ティシビィジャパンまで)

ダニ捕りロボ
ダニ捕りマットMサイズSサイズ
ダニ捕りマットSサイズ
ダニ捕りロボ設置例
 ダニ捕りマット設置例

 アトピー性皮膚炎、喘息の誘発要因とされるダニ。その対策や除去は想像以上に厄介で手のかかるものである。しかし、ダニの性格、行動を理解できれば対策方法や手段はあるものだ。一度、クルマを洗車するついでに徹底した室内清掃に挑戦してみてはいかがだろうか。
このところ、地球を取り巻く環境が狂い、どこかで音を立てて崩れていくような。そんな気がしてならない。日本の気候条件では到底、生命維持が不可能と思われる毒を持った昆虫やアリ。サソリや毒蜘蛛が日本に住み着いて永住権を手にする寸前だと耳にした。テレビニュースで流れる。
ハリセンボンが大量発生やエチゼンクラゲの日本海北上。
はたまた、南方原産の水草が日本で越冬。そうそう、あの蚊が楽々と越冬したりしてしまっている。間違いなく温暖化していることに間違いなさそうだ。地球温暖化が叫ばれる中、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などアレルギーの誘発要因のひとつとされるダニ。のうのうと冬を生き延び、季節を問わず増殖するらしい。ここはひとつ、本格的なダニ対策を考えてみようではないか。

 Written by 西村 光生
写真提供/取材協力:ティシビィジャパン

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