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第5回 凄いぞ!レクサス レクサスLS600h/LS600hL
見たか、メルセデス……。
まるで、驚きのクルマだった。ステアリングを握っても、後席のファーストクラスと表現しても間違いではない、その乗り心地。いままで、これほど快適なクルマがあっただろうか。とにかく驚きのレクサスLS600h。
トップグレードは1千5百万超え!
ハナっから貧乏臭い話で恐縮するが、LS600hの価格帯は9百70万円から1千5百10万円までである。思わず「ホホウ!」と驚かされる。ライバルと黙されるヨーロッパ車に比べ、確かに価格帯は抑えられている。
これまで国産乗用車で最高値のクルマはトヨタのセンチュリーだったか。クルマが豪華装備の高級モデルであり、一般的な個人所有のクルマではないだけに、その価格は納得する。しかし、レクサスLS600hは、それら法人専用の重役送迎車という感覚ではない。LS600hの前身は街中でよく見かけるあのセルシオである。
LS600h最大の売りは、その心臓部。エンジンだ。LS600h用に新開発されたV8、5リットルエンジンは高出力モーターと組み合わされ、驚異的な高性能を発揮する。
因みにエンジンの最高出力は290kw(394ps)/6400回転。最大トルクは520Nm(53、0kg・m)。モーター出力は165kw(224ps)、最大トルク、300Nm(30、6kg・m)を発生する。軽く6リットルエンジンの性能を上回る数値である。しかも全モデルともAWD。
走ってみると、その性能は異次元。乗り心地のよさは言うまでも無い。その上、静粛性は半端じゃないのだ。室内は外部の騒音や自らのエンジン音、走行騒音など、一切、耳障りな音を遮断している。アクセルを踏み込めば鋭い加速を見せるし、高速走行は快適の一言に尽きる。
見事な高品質感と上質さは贅沢の極みと言わざるを得ない。
セルシオがデビューした当初から「高級車」についての定義やら論議が業界雀の間でもっともらしく囁かれている。レクサスブランドが誕生したときもそうであったし、その論議は未だに継続中だ。
しかし、LS600hについては、文句というのか、イチャモンのつけようがないはずだ。ライバルとなるであろうメルセデス・ベンツのSクラス、BMWの7シリーズに負けてはいない。
いや、これらヨーロッパ生まれのハイグレードモデルを超えてしまったと言っておきたい。
「どこが、どのように劣っているのか、負けているのか。その具体例を示せ」と言いたいほどだ。
室内の広さ、快適性。さらに内装に使われている素材。どれをとっても劣ってはいない。
いつまでも舶来崇拝をしていては国産車のよさ、急速な進化を語ることはできないだろう。今や、舶来崇拝は日本を眺める世界の目に変わってきているといっても、まんざら間違いではないはずである。
レクサスLS600hに与えられている性能は日本国内を走っている限り、もてあますことになるだろう。高速道路の制限速度が100km/hの国である以上仕方のないことで、これはあきらめるしかない。
燃費のよさ、高性能の両立
ところで、ビッグボディでV8、5リットルエンジンと聞くと、気がかりなのは燃費。しかし、そこはハイブリッドモデルの強み、カタログ数値による10・15モード燃費は12、2km/リットルと、見事な省燃費を達成している。
5リットルエンジンで12km/リットル。これも驚きである。無論CO2排出も6リットルエンジン車の半分ほどだという。最後になったが、プレスリリースに記された高性能ぶりを示す数値を紹介しておこう。
追い越し加速:40km/h〜70km/h 2、5秒。発進加速:0〜100km/h 5、5秒。社内測定値だが、文句なしの俊足である。
LS600hは間違いなく、大人のクルマである。ガキが集まって、ウダウダと能書きをタレるようなクルマでは、けして無い。
そうそう、最後にLS600hとLS600hLの違いだが、LS600hLはボディを120ミリ延長したロングボディモデル。
後席セパレートパッケージは4人乗車モデルで、1千5百10万円のクルマ。レクサス店で眺める価値は十分にある。
Written by 西村 光生 |
次回もお楽しみに! |
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