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第6回 日産／デュアリス
最近、４ＷＤと一言でいっても種類は様々。ゴツくてタフな、あの四駆だけじゃない。いつもは乗用車で時々、タフ。こういうクルマがクロスオーバーＳＵＶと呼ばれている。デビューしたての日産デュアリスは、まさにそんなクルマである。都会に野山にどこまで使い倒せるか。ユーザーのセンスがモノをいう１台ではないだろうか……。
顔は違うが、身体つきはお兄さん、ムラーノ似だ。
「背の高いハッチバックじゃないのか……」
何を隠そう、デュアリスを目の前にしたときの素直な印象だ。
デュアリスを端的に表現すると「ミドルサイズのクロスオーバーＳＵＶ」ということになるそうだ。
ＳＵＶというのもよくわからない。その上、これまたクロスオーバーという理解しにくい言葉が追加されて、クルマの実態が掴めない。そう思ってしまう人も少なくはないと思う。わかりやすく言うならハッチバックボディでタフなイメージの街乗り向きの４ＷＤである。それなのにＦＦの２ＷＤがあるというのも不思議な話しだ。
ボディスタイルはデュアリスのお兄さん（？）似だ。たまたまではあるが、試乗の途中、クルマを眺めるためにデュアリスを停めた駐車場でＲＡＶ−４に乗る熟年男性が「ムラーノかの思ったけど、ちょっと小さいか。これ、テレビでコマーシャルやっているクルマ？」と、声をかけてきた。
なるほど、ＳＵＶ好きには注目されているクルマなのだ。
デュアリスの本家は先にヨーロッパデビューを果たしたキャッシュカイ。
キャッシュカイは２００４年のジュネーブショーでコンセプトモデルとして展示され、その当時からミドルサイズの都会派ＳＵＶは注目を集めていたらしい。
さて、日本デビューを果たしたデュアリス、エンジンは最大出力１０１kw（１３７ps）を発生する２リットル。トランスミッションはＣＶＴ−Ｍ６。オールモード４ＷＤとＦＦ２ＷＤと設定され、グレードはそれそれに２種類が用意されている。
高いアイポイントがデュアリスの売り？
室内は上品でシックにまとめられ、際立って目立った特徴はない。どちらかといえば平凡でだれからも好かれる印象だ。シートも身体をやんわりと包み込んでくれる。運転席に座ると高いアイポイントで広い視界が確保できて、最低地上高２０５ミリは伊達じゃないと思わされる。
乗り心地はソフト。しかも腰のある乗り心地でけしてフワフワとした「分厚い殿様用座蒲団」とは違う。踏ん張るところはしっかりと踏ん張るサス剛性の高さが感じとれる。エンジンレスポンスのよさに加えステアリングの応答性も高い。クイックというほどシャープではないが、けして鈍ではないのだ。キビキビとした走りっぷりにうまくマッチしていると言っておこう。
ベリーグッドなファミリーカーだなぁ！
『楽しくなければ※▲◎じゃない！』そんなＴＶＣＦがあった。このコピー、そっくりそのまま、デュアリスに当てはまるのではないか。
広々とした室内。上級グレードに設定されている大きな面積のグラスルーフ。マニュアルシフト感覚で運転できる６速ＣＶＴ。そして４ＷＤ……。
ステアリングを握る勝手で我がままのユーザーの要望にしっかりと応えてくれるクルマである。しかし、デュアリスの完璧に使いこなすユーザーがどれほど存在しているのかは、わからない。
４ＷＤとはいえ、いわゆるクロカン派には見向きもされないクルマであろうが、こういうクルマこそ本当はファミリーカーに最適といいたい。
天気や路面状態に影響されることなく、安全で確実に家族を乗せて走ることができる。そう考えると、マルチに使える有効なクルマなのである。デビューから間もないデュアリスは売れ行きは上々。価格を見ると２ＷＤのSグレードで１９５万３０００円。４ＷＤのGで２４３万７５０円と、お買い得感は十分。すでに６０００台のオーダーが殺到しているとか。最後になったがデュアリスはイギリス北東部のサンダーランドにある英国日産（NMUK）で生産されている。
Written by 西村 光生 |
次回もお楽しみに！ |
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