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第56回 スカイライン・クロスオーバー
四駆か、それなら仕方なかんべぇ!

 以前からスカイラインベースのSUVが国内販売されると、そんな噂が流れていた。 その噂は事実だった。 「四駆か、それなら仕方なかんべぇ!」とばかりに、御殿場周辺で行われた試乗会に出かけてきたる。 <続きを読む>

 
第11回 インプレッサ
もう、スバリストだけのクルマじゃない。ニューインプレッサ登場!
インプレッサ。あまり馴染みのないクルマという声もある富士重工のコンパクトファミリーカーである。しかし、インプレッサはファミリカーというよりは世界を舞台にしたラリーで活躍するモータースポーツのためのクルマと思われている1台かもしれない。しかし、そんなオンプレッサがガラリと変わって登場した……。

1.5リッターエンジンのベーシックモデルのデキが最高だ。

インプレッサ……。一般的には、ちょっと特殊なクルマというイメージがあることは拭えない。それはWRC(ワールドラリーチャンピオンシップ)に参戦し、大活躍しているからだろう。一般ユーザーの目から見るとインプレッサはラリーというモータスポーツに参戦するためのクルマと思われているといっても、言いすぎではないだろう。
どういうワケだかマニアックなクルマと捉えられ勝ちなクルマなのである。
それは何故か。ブルーメタリックのラリーカラーをまとった競技車レプリカと言ったらいいのか、その類の、少しばかり排気音の高いクルマばかりが目立って、いわゆる普通のインプレッサがあまりにも地味な存在だったからだ。
何年か前、インプレッサの話になったとき、
「へぇー。インプレッサにもそんな普通のグレードがあるんだ!」
と不思議な顔をされたことが何度かある。
と、まぁ、こんな御託を並べてしまったが、これまでのインプレッサのベーシックモデルは面白味のないクルマだったことは事実だ。普通のハッチバックであり、中途半端なセダンだった。ところが、フルモデルチェンジを受けたニュー・インプレッサは、それまでとはまるで違うイメージのクルマに生まれ変わった。
多くのスバルファン。彼らはスバリストと呼ばれ、彼ら自身、そう呼ばれることを自慢の種にしていた向きがある。しかし、ニュー・インプレッサはスバリストと呼ばれるマニアックなスバルファンから距離を置いたクルマとなっていると思う。

ちょっといい感じのボディデザインは上品なヨーロピアンコンパクトを思わせる。 
そのデザインはガラリと変わり前から見ると、なんやらに。後ろから見るとイタ車のナンやらに。そして横はドイツ車のナンやらに似ているという、そんな雰囲気でまとめられている。
一見して「こいつは悪くねぇぞ!」と思わせてくれる。
ニュー・インプレッサには2リッター、2リッターターボ、1.5リッターと3種類のエンジンが用意されているのだが、一番ベーシックな装備を与えられた1.5リッターモデルのできがいいのだ。旧型インプレッサシリーズでは誰もがハナも引っ掛けないようなグレードということになるのだろうが、ローグレードの1.5リッター車が極上のできなのである。エンジン性能的に2リッター。2リッターターボには劣るが、それ以外の部分で必要にして十分な装備、乗り心地、居住性、動力性能を備えているのだ。それに、クルマそのものが貧乏臭く見えないというのが、素晴らしい。
ベーシックモデルのできがいいということは、その上のグレードは動力性能やら走り、ドライビングを楽しもうというユーザーには十分過ぎる満足感、買い得感を与えるに違いないと思う。
「インプレッサは過激とも思える走り、動力性能がいいのさ。今度のインプレッサは意気地なしになったのか?」
そう思ってはいけない。2リッターターボエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルの走りはインプレッサ精神を失ったわけではない。間違いなくスポーティドライブが楽しめるクルマになっている。インプレッサらしい動力性能と走行性能を楽しみたいユーザーにはお勧めできる。
その一方で1.5リッターエンジンモデルは万人向けの、お洒落なファミリーカーとして、高い次元でまとまっている。お買い得感も十分で、所有満足度という点から言っても、損のないクルマだと思う。

さて、モータースポーツファンが気になる、高性能モデルだが、この秋にはSTIの手によるホットなモデルが顔を出すという。これまた楽しみな話ではないか。

Written by 西村 光生

次回もお楽しみに!
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