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第56回 スカイライン・クロスオーバー
四駆か、それなら仕方なかんべぇ!

 以前からスカイラインベースのSUVが国内販売されると、そんな噂が流れていた。 その噂は事実だった。 「四駆か、それなら仕方なかんべぇ!」とばかりに、御殿場周辺で行われた試乗会に出かけてきたる。 <続きを読む>

 
第19回 ランクル200
驚愕。唖然、呆然!!
  ランクル100系の登場から9年目。フルモデルチェンジを受けて登場したのがランクル200系。そんな歴史的背景は二の次、三の次。今度のランクルは、ただただ凄い!
「すげぇんだよ、200って」一言で言えば、そういうことになる。
  世界初と銘打ったクロールコントロール、これが凄いのだ。
  と、まぁ、最初にカマシを入れておこうか……。

見た目は堂々、その存在感は圧巻。他車、憮然。
  全長4.950ミリ、全幅1.970ミリ。そして全高1.880ミリのボディは威風堂々としている。フルモデルチェンジとは言え、旧100シリーズの面影を強く踏襲、特にランクルの顔、フロント回りのデザインは「オヤ?」思わせてくれるものがある。
  変わってはいるが、間違いなくランクル顔である。100に比べ、全幅でプラス30ミリ拡大されたボディは気になるところ、しかし、ランクルが国際基準のSUVであることを考えれば都会派ユーザーにはちょっと辛い部分と言っていい。タワーパキングで駐車できない可能性も考えられるし、時間貸しの駐車場でのサイズ的にはギリギリのはずだ。
  しかし、北米マーケットでは、この堂々としたボディでも小さめのSUVだという。ところが室内におさまってみると、1、2列シートは十分過ぎる余裕で、その広さには驚かされる。基本は3列8人乗りだが、3列シートは緊急用。けして長時間、座っていられるものではないと言っておこう。
  設定グレードは基本がAX。上級グレードとして装備を充実したGセレクションが用意され、このモデルは特上といった趣のある、贅沢を極めている。

オンでジェントリー。オフの逞しさは世界特級クラスだぜ!
  エンジンは212kwと448N・mを発生するDOHCのV8。そのクイックで小気味のいいレスポンスは、ほとんどまったく高級セダンに搭載してもおかしくないと思ってしまう。低回転域から発生する極太のトルクと高い静粛性は、自分が運転しているクルマがSUVとは思えない印象を受ける。それに頭のいいシーケンシャルシフトマチック5速ETCはいまさら言うまでもないが、マニュアル感覚でドライバーの意のままにランクル200を扱える。高速道路から一般路、いわゆるオンロードで味わえるランクルの走りは極上以外の何物でもない。その動力性能の高さから、まさか車重が2,500kgもあるとは思えない。走りは滑らかで優しさが背中と尻に伝わってくる。
  特にGセレクションに標準装備されているKDSS(キネティック・ダイナミック・サスペンションシステム)は前後のスタビライザーをリンクさせ路面状況に応じてスタビライザーを最適に制御するという画期的なメカ。オンロードではロールを制御し、オフロードではホイールストロークを導きだすのである。わかりやすく言えば、日産サファリに装備されていたマニュアル式のスタビデバイスに油圧を使った電子制御へと進化させたものと思えばいいだろう。

クロールコントロールの威力は。脅威の一言……。
  小さな親切か、大きなお世話か。クロールコントロールは四駆がその本領を発揮するトランスファのローレンジで1速。ローのローと呼ばれる世界で効果を発揮する運転補助、ドライバー援助システムである。時速にして1キロから5キロの速度域で、なんともありがたいシステムだ。勢いがあって、イケイケドンドンの世代にすれば「そんなの関係ねぇ!」と言うかも知れない。かつてはM/Tの四駆でテクニックを競い合った世界である。
  微妙なアクセルワーク、クラッチのテクニック。ブレーキを踏みながらアクセルを操作したり、サイドブレーキを効かせて見たり。その上でステアリング操作……。
  道ではない極悪の地形を走破するには、それなりの経験とテクニックを必要とするものだ。ところが、クロールコントロールは、そのスーパーテクをプッシュスイッチひとつで可能にしたのである。微妙なアクセルコントロールもダイヤルひとつで時速1キロから時速約5キロまで3段階の速度調整をクルマが行ってしまうのだ。
  足と手の操作から開放されたドライバーはステアリング操作に集中すればいいのである。
  現在の日本で、ローのローという世界はほとんど皆無。あるとすれは人工のオフロードコースだけと言っても間違いではない。それに四駆ファンと言えども、そんな地形で四苦八苦した経験を持つ人は少数だ。そんなユーザーには無用の長物かも知れない。
  ところが、ランクルを必要とする辺境、未開の地ではローのローと言える世界は広いのだ。時速5キロ以下でクルマのダメージを避け、3時間も5時間もとドライブを強いられることは拷問に近い。そんなユーザーの声に応えて開発されたクロールコントロールは、地形を選び、ステアリング操作に集中しているだけで、ランクル200が極悪地形を走破してくれる世界初のシステムなのである。
  下り路面では、ヒルダウンアシストが働き、登り路面では微妙なアクセルコントロールを行う。ブレーキを効かせるのと同時にアクセルを開くコントロールも行うのである。
  ちょっと信じられない制御だが、実際にクロールコントロールを体験すると「オイオイ、何だこりゃ!!」と、そのあり難さを知る。
「いらないな、こんなモノ!」と言っているようじゃ、まだまだ青い、幼いな……。
  残念ながら、クロールコントロールを体験してみたいと思っても、それはなかなか困難なことだと思う。
  ランクル200は世界から高い信頼を持って受け入れられているランドクルーザーの最新モデルである。そしてランクル200に与えられた新メカニズムと革新的な進化は、全世界のランクル使いこなしユーザーに大歓迎されるに違いない。

独白のこと……。
  ニューモデルの登場ってことになると注目すべきはライバル。ランクルは世界ブランドであり、敵は多い。そんな中、話題に上るのがランクルvsレンジ。この両車、高級SUVではあるが、性格が違う。未だに舶来崇拝主義が蔓延る日本では「レンジ」ということになるが、実力、信頼性という部分で、ランクルがはるかに有利。世界マーケットに目を向けてみると、やはり、ランクルに軍配が上がることになるだろう。
  それにしてもクロールコントロールは見事。ランクル200の開発に携わった多くの開発陣は、どんな気分でランクル200の巣立ちを見守っているのか……。
  とにかく、参った、参った。これしか言葉が浮かばない。大したモンだ、ランクルは!

Written by 西村 光生

次回もお楽しみに!
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