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第38回 ハマーH3
随分と小型化(?)ハマーH3
あの、無闇に大きくて周囲に無言の圧迫感を与えてくれる4×4、ハマー。
何といっても、アメリカ軍御用達の軍用車をベースに仕立てられた初代ハマーのイメージだけは引きずっている。
それにしても、ハマーの出現には驚かされた。
オフの走りはデザートランナー、クロカンではないと思えるが……
初代ハマー、何であのようなクルマが登場したのか。
それはアメリカ軍の軍事機密だけに、一般人にはわからない。
だが、ひとつだけ言えるとするなら、
今から30年近く(もしかして以上か?)前にイタリアのランボルギーニ社が
チータというオフロードのスーパーカーとも言うべきデザートランナーを、ごく少数生産した。
確か、コンセプトはフラットな砂漠をいかに速く走れるか。
そういうクルマを世に出したのである。
地雷やら何やら、そんな武器を積んで敵地の乗り込み武器をばら撒いて、早々に帰ってくる……。
そのコンセプトをそっくり受け継いだのがハマー1のベース、
バンヴィーではないのか!それが軍事機密なのであり、謎である。
さて、今回レポートするのは、ハマーの3代目、H3だ。
その姿、形は軍用車のバンヴィーをわずかながら踏襲しているものの、メカニズムは全くの別物である。
ハマー H3はシボレー・コロラドのシャーシをベースにH2小型化したモデル。
初代や2代目に比べ全長4705ミリ。全幅1995ミリ。
全高2840ミリとランクル200並みのボディサイズが与えられている。
日本の道路事情を考慮すると扱いやすくなったことは事実だ。
試乗したモデルは08年型。
搭載エンジンは直列5気筒3、7リッター、ガソリン。
4速オートマティックでフルタイム4×4システムが与えられている右ハンドル仕様のラグジュアリーグレード。
価格は5百99万4千円。
この純然たるオフロード4×4を東京都内で試乗しろという、少々、大胆な試乗会だったのだ。
東京タワーをバックに作り物の急坂路を上り、下り。傾斜路を走破。
続いて街中に出る。室内に収まって走り出す。
狭い窓が売りの一つだというが、視界は狭く、穴倉から外を見ているような気分になる。
しかし、どうして巨体と思えるボディなのだが、街中では大きさが気にならないのである。
ところが、周囲のクルマは、ハマーを避けるがごとく、近寄ってこなかった。
この時期、気になるのは、その燃費!
その走りだが、車重2200kgのボディではあるが33.5N・mのトルクと低回転域かたパワーを発生する
エンジンで、巨体の割りに軽妙な走りを披露した。
10−15モードで6、4km/Lは、去年、一昨年までなら「そこそこの燃費」と判断だれただろうが、今年は無理。
「冗談じゃねぇよ!」というのが、一般ユーザーから発せられる声ではないだろうか。
GMアジア・パシフィック・ジャパンでは日本の同クラスSUVユーザーがターゲットだというが、
果たして目論み通りに販売に繋がるか、野次馬的に眺めたくなる。
大きなクルマ、日本人は嫌いじゃないよ。
H1はとてつもなく大きなクルマだった。
トヨタが生産していたメガクルーザーが同クラス車と言われていた。
H3はほぼランクル200クラスのサイズである。
ひょっとすれば、ひょっとするかもしれないが、
日本の道路には少しばかり不似合いという気がしないでもない。
ところが、この手のクルマ、日本人は大好きなのである。
あの大型のアメ車に憧れた、あの感覚を日本人は失っていないのである。
Written by 西村 光生
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次回もお楽しみに! |
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