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第46回 ホンダ・8代目アコード
アコードのデビューは1976年のことだった。綾小路キミマロ風にいうならば「あれから30年……」と、
ジジ・ババをこき下ろすことになるのだが、こっちはクルマ。
進化し続けている。一体、アコードの辿る道はどこにあるのか、ちょっと頭を捻ってみた。
8代目アコード、ホンダは真剣に つまらないクルマを作るもんだ。
何と、アコードは8代目を迎えたという。
しかし、先代、先々代の姿、形が思い出せない。それほど見かけなくなってしまったからだろうか。
アッパーミドルクラスとでもいうのか、このクラスのクルマは中途半端。
高級ではない上級、これに日本人は手をだそうとはしない傾向にある、
とは言え、ニューモデルを前にした印象を言えば「なんちゅう、怖い顔や……」である。
どうにもヘッドランプにガン飛ばされているような気分になる。
まぁ、それはそれとして、8代目アコードの生産計画が持ち上がったのはいつのころだったのだろうか。
その計画がまとまったころ、8代目デビューが、こんなに不景気の真っ只中になるとは、誰が予想できたであろう。
あの有名は占い師「銀座の母」でも、この不景気は予想できなかっただろう。
できるものなら新型を発表しないで、しばらくの間、様子を見るなんてことが出来れば、
したかったのかもしれない。
そう、あのF1撤退はチャンスを逃すことなく、見事な引き際だったではないか……。
しかし、こんな時代でなければそこそこの注目を浴びるクルマのはずだが、
こればっかりは大きな間違いだったというしかない。
さて、その装備、走行性能は文句のつけようがない。
低速域からの加速は十分過ぎる余裕だし、走りだしてからの静粛性など、非のうちどころがない。
アコードセダン
一目見て、その大きさに驚いた。
全長4730ミリ、全幅1840〜1850ミリ。レジェンドと大差の無いボディサイズだ。
見た目のはったりは十分すぎる。それに周囲をガン飛ばす、ヘッドライトとフロントデザイン。
景気のタイミングと上手くシンクロすれば、注目されるホンダ車だろう。
エンジンは2、4リッターI VTEC。それにパドルシフトの5ATが組み合わされている。
グレードによって差はあるが10、15モードJC08モードとも11km/Lとカタログには示されている。
このクラスとしては納得できる数値であろう。
実際に走れば、10km/L以下になることは間違いないところだと思う。
一番、目を引き、気になる装備にしてもインテリアのデザインやら素材など、
高級感が演出され価格以上の贅沢さを感じるに違いない。
価格帯は消費税込みで270万円から380万円まで。
ユーザーに文句を言わせない価格帯と言っていい。
まぁ、BMやらベンツと互角に勝負できる質と装備は自慢できるだろう。
しかし、アコードはアコードでしかない。
言わせてもらえば「なるほどアコードだ!」と言える部分、
そしてアコード流のこだわりはほとんど全く感じられない。
残念というほどのことではないが、多分、狙いではないかと思う。
アコードツアラー
アコードに、いわゆるステーションワゴンが加わったのは3代目、アコードエアロデッキだ。
1985年の話である。
以後、アメリカホンダで生産するアコードワゴンが4代目、5代目と続き、ある種のワゴンブームを支えた。
ちょうど世の中はRVが流行し、そんなところからアコードワゴンはヒットした。
6代目、7代目は完璧なメイド・イン・ジャパン。
8代目アコードワゴンは名前がツアラー。馬鹿に、偉くスタイリッシュなワゴンボディが与えられた。
まるで女性ユーザーに人気を博した4代目、5代目の、
あの人気にあやかりたいという商人根性が丸見えという印象が拭えない。
それほどスタイリッシュかというと、
これがそうでもないではないかと思わせるのはリヤのデザイン処理。
個人的な印象はことなることを計算に入れて言うなら、まるでデカ尻女を想像させる。
ボディサイドのデザインはワゴンなりにシャープさがあって、なかなかのものだと思う。
ところが、リヤは今一歩だろう。
売れて人気だった、あのセンスは日本じゃ無理なのか、いや、そんなことはないはずなのに……。
エンジン、パワートレインはセダンと変わってはいない。
その代わり、荷室は結構な容積が確保され、ワゴンとしての素質は十分過ぎる。
かなり贅沢なワゴンとして仕上がっている。
カタログデータによる燃費は10、15モードで11、4km/L。JC08モードで11、0km/h。妥当な数値だろう。実走行燃費は別にして……。
価格帯は295万円〜410万円。この価格をどう取るか、これはユーザーも問題だ。
アコード・セダン、ツアラーに興味を持ったら、とにかく、休日にデーラーに出向いて
実車を自分の目と感覚を研ぎ澄ませて見て、触れること。それが一番だ。
Written by 西村 光生
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次回もお楽しみに! |
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