第47回 トヨタがパッソ・セッティで、ダイハツがブーン・ルミナスだってさ!
ミニバンのミニバンというべきなのか……。
「主婦で、ママで、女です」だっけか……。
そんなテレビコマーシャルが、最近目につくとは思いませんか?
あれ、クルマのコマーシャルなんですよ。
♪パッソ、プチプチ、プチ、トヨタってコマーシャルソングでおなじみのトヨタのパッソ。
そして、その兄弟車のダイハツのブーン。
この2台は、いわゆるコンパクトカー。
そのコンパクトハッチバックをベースに全長とホイールベースを延長して、3列シートを配備。
なんと、トヨタ流に表現するなら「♪パッソ、プチプチ、プチミニバン」ってことになるミニバンが揃って登場。
トヨタがセッティでダイハツがルミナスという名前。
両車ともにミニバンとしては最小クラス、ライバルというのか、
同じクラスだと、ホンダのフリードだろうか。
はっきり言って、充分な余裕を持った驚異の居住性とは間違っても言えないが、
3列シートを備えて7人乗車が可能となっているが、その3列目シートは乗降生、居住性ともに、
人を小馬鹿にしている。
もしも、コマーシャルのように、仲良しの主婦でママで女の7人が乗車して、
どこぞのホテルで「ランチでも一緒に」と出かけるのであれば、太めの主婦は助手席か2列目。
間違っても3列目に太めが二人じゃ、身動きが取れない。
まぁ、小柄と言われる男性程度の体格ならば2?30分程度の乗車は」できるだろう。それ以上は無理だ。
エンジンは1,5リッターで、簡単操作のシートアレンジ。
セッティで、ルミナスともに、FFと4WDが設定され、
コンパクトなミニバンボディで、使いやすいクルマ、女性が楽に運転できるクルマというのが売りの一つ。
そのために、女性ユーザーを意識した用品が多い。特にシートカバーなど、
いままで「女性向き」とされていた用品とは大違い、お色気たっぷりの、
ゾクッとするようなものまで用意されている。
そんな用品は怖いモノ見たさで販売店まで足を伸ばす価値は充分にある。
さて、ミニミニバンの走りの実力だが、
1,5リッターエンジンと4速ATの組み合わせで力強い走りを披露してくれる。
高速走行など、4人乗車時でオーバー100km/hは余裕。
80km/h付近からの追い越し加速に申し分なしだ。
ところで、今、もっとも気になる10?15モード燃費だがFFで15・6km/L。4WDで14・6km/L。
そこそこの燃費といえるだろう。
コンパクトでもミニバンだって?
それなりに価値はあると思う。
多人数乗車ができるミニバンとはいうものの、3列目のシートまで使ってフル乗車という機会は、
めったやたらとあるものではない。
ミニバンユーザーの多くは「フル乗車なんて、年に数回」というのがほとんどだ。
それもフルサイズのミニバンでのこと。
セッティとブーンはミニバンというより、リヤに使い勝手のいい空間のあるハッチバックと考えたほうが、
クルマ選びとしては、楽かのしれない。
つまり、不要に大きくなくて、ちょうどいいファミリーカーとして見ると、結構、いいクルマに思えてくる。
しかし、まぁ、結論を急ぐなら、この世知辛いご時世に似合ったクルマが登場したってとこだろうか。
さて、問題の価格だが、想像していたより高かった。
トヨタのパッソ・セッティが149万円から。ダイハツのブーン・ルミナスが153万5千円から。
ちょっと気になるオプションを装着すると、あっという間に200万円近くなるのも気になるところだ。
Written by 西村 光生
|