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第56回 スカイライン・クロスオーバー
四駆か、それなら仕方なかんべぇ!

 以前からスカイラインベースのSUVが国内販売されると、そんな噂が流れていた。 その噂は事実だった。 「四駆か、それなら仕方なかんべぇ!」とばかりに、御殿場周辺で行われた試乗会に出かけてきたる。 <続きを読む>

 

第49回 レクサスRX450h&RX350

丸っこくなった ハリヤーは レクサスモデルで
RX350というのだ。


「何だか、意味がわかんないんだけんども、RX350って知ってるか!」
 ちょいとクルマ好きのご隠居が、クルマが趣味というイマドキ、珍しい大学生の孫に聞いた。
 そのご隠居はアルファベットの次ぎに数字が羅列するのは、ベンツとビーエムで懲りている。
孫の大学生は『またか!』と呟くと、爺さん相手に、クルマの説明をしたのである。
「じいちゃん、早い話がトヨタのハリアー。その新型だよ……」
 ご隠居だって、元々はクルマ好き。ハリアーと言われて「何だそうなのか。
レクサスってクルマはトヨタが作ってるんだろ、何でやたらとアルファベットと、 数字なんだ!」と、不機嫌そうに、孫の買ってきたクルマの雑誌に目を落とした。

 何と言っても、レクサスである。目指すところは「超高級でもって、超セレブレティなのである」
 それは提供された試乗車を目の前にして、 運転席に乗り込む前からそんな印象をドッカーンと喰らわしてくれた。
 RXの売りは、RX450hというハイブリッドエンジンモデル。 450hという名称は450馬力に近いパワーを発生するというところから名付けられたものらしい。

 ところが、ここでレポートするのはRX350という、V6の3,5Lエンジンを搭載した、 どちらかと言えば、普通のRXということになる。
車重はナンだ、カンだで2トンに迫る。 車両総重量だと2,3トン。燃費がどうこう言われる時代に、この重さ。 因みにカタログデータに寄れば10?15モードは9,4km/Lとか9,5km/Lだとか。 「おいおい、ちょっと待てよ」って気にならないか。

 アメリカの新大統領オバマさんがビッグ3に対して 「リッター当たり15キロ走るクルマを開発しろ」と言ったばかりのその時に、 リッター9,4キロは無いだろう。

普通のV63,5リッターは、間違いなく高性能ではあるけれど! 室内だってSUVを越えた豪華さとゴージャスな空間で……。

 さて、280psのパワーと35、5kg・mのトルクを発生するエンジンは、 極めて滑らかで静粛性に優れていた。 「これでSUVなのかい?」と言いたくなるほどだ。アクセルを踏み込めば、加速は暴力的に鋭い。 暴力と言っても「殴る、蹴る」ではなく、力持ちが瞬時に首を絞めるようなもので、 6速ATが素早くシフトアップ。 ジェントリーというアレだ。
知らぬ間に軽くオーバー150キロの世界に誘う。

 市街地のチンタラ走りは得意気に、高速走行はそれなりに素晴らしい。文句のつけようがない。  高めの着座ポイントは視界が広く、この辺りはセダンとは異質。高いところから周囲を見下すSUV視界なのだ。  それに、室内。トヨタ流、イヤ違った。レクサス流でまとめられて豪華でゴージャス、叶姉妹もきっと、クリビツテンギョウすると思う。  お値段の話をすればRX350のFF2WDで460万円。トップグレードのAWD、バージョンL、エアサスペンションが565万円。この価格帯から見ても、顧客に不満を言わせるようなクルマではないことが、よくわかる。但し、デザインがどうの、形がどうの。色がどうのと言う文句だけは言える。 誰が、ナンと言おうとハイブリッドでしょ。500万を軽く越える高級車だけれど、買うヤツは買うのである。だってレクサスなんだもの……。

 ところで、肝心のハイブリッドモデル、RX450hだが、デビューは4月だという。
 レクサスは元々、北米向けブランド。 で、プリウスやらのハイブリッドモデルに乗っている人はインテリジェンスを周囲に見せつけるというか、 環境を考えてクルマに乗っているんではないかと、ちょいといい雰囲気の善人に見られていると言う。
 それがどこまで本当なのかはわからない。 まぁ、そんな善人ばかりなら新大統領のオバマさんが今更ビッグ3に「リッター15キロを走るクルマを開発せぇ」 とは言わないはずである。これもカタログデータではあるが、 450hは10?15モードが18、8km/L。さらにアイドルストップ付きである。
 新型RX2台を前に、新型に飛びつくか、それともハイブリッドを待つか、さて、どっち?
 新型RX、それもハイブリッドモデルが、北米でどう受け取られるか。これは楽しみ。 何年か前に日本車を、大きなハンマーで叩き潰すというニュース映像が流れたが、 あんなことがRX450hにされることはないだろう。570万から650万という超高級車なのだから……。
「でも、アメリカ人の逆恨みは恐ろしいぞ!」と、ご隠居はクルマ雑誌を閉じたのでした。  

Written by 西村 光生


次回もお楽しみに!
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