第55回 5代目レガシィ
都会のお雑煮と、田舎のお雑煮!
全く、季節外れの話で申し訳ない。
正月、おせち料理の真打はお雑煮であろう。
日本全国、ツツウラウラその地方の特色が出て「こりゃ、何だ!」とオドロカされるものである。
白味噌仕立てやオスマシ仕立て。角餅やら丸餅。
中には甘いアンコ入りの餅をお雑煮に使うという。
都会育ちで東京っ子の私としては、塗りの椀にすっぽりと収まる餅というのが、見慣れた雑煮だ。
ところが、ある年の正月、友人の田舎で正月を迎えた。
するとどうだ。お椀の中にはでかい角餅。東京スタイルの倍以上の餅がドンとあるではないか……。
どこから手をつけていいのか、迷いに迷った経験がある。
レガシィって名前じゃなくても、 よかった気がする!
さて、新型レガシィだが、クルマを目の前にして「おや」っと思った、いや、思い出したのが田舎の雑煮だ。
これまでのレガシィはなんだかんだといわれながらも、都会の雑煮だったと思っていた。
ところが新型レガシィは随分とでかい。
それは、ちょこっとボディサイズが大きくなったってモンじゃない。
全幅で50ミリも大きくなったのだ。これはもう、完全に田舎の雑煮に入っているあの、餅ではないか。
田舎の雑煮、これは東京育ちの人間でなければわからないことかも知れないが、田舎の雑煮の餅はとにかくデカい。
旧型レガシィが都会雑煮の餅だとしたら、新型レガシィは、迷うことなく田舎雑煮の餅なのだ。
もしかしたら群馬の雑煮もそうかしら?
3種の味わいの中から、どれを選ぶか。 これはオーナー予備軍に任せたい。
で、走らせてみると、これがなかなか。乗り心地は悪くない。居住性は余裕のカタマリ。
前後シートともレッグスペースは有り余るほど。
その上シートに余裕が生まれたのか、身体をそっとやさしく抱きしめるような感触だ。
セダンがいいか、ワゴンがいいか。そんなことで迷う前にアウトバックも試してみるといい。
まさに、違いがわかる大人のワゴンなのである。
朝早い、ヨーロッパのどこかを走っている感覚でドライブしてもらいたい、アウトバックのよさ、味に納得するはずだ。
スポーティさならセダン。ちょっと遊び心をクスグルワゴン。
大人の味わい、アウトバック。
いずれにしても、見事な進化と熟成をみせた新レガシィ。
見て、触って、ハンドルを握ってほしい。
Written by 西村 光生
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