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第56回 スカイライン・クロスオーバー
四駆か、それなら仕方なかんべぇ!

 以前からスカイラインベースのSUVが国内販売されると、そんな噂が流れていた。 その噂は事実だった。 「四駆か、それなら仕方なかんべぇ!」とばかりに、御殿場周辺で行われた試乗会に出かけてきたる。 <続きを読む>

 
第9回 インド人カメラマン スベ○■△×♪とお近づきになる。

たっぷりの寝汗というのも不気味な表現だ。昼間、いやというほど汗をかき、狭いテントにふたり。どうしたって汗をかく。 目覚めた時には、身体がベトベト、汗がじっとり。
 早朝、顔を洗うついでに身体も洗う。川に入るが、その水の冷たいことったらない。
 ヒマラヤのどこかから流れ出た雪解け水なのである。
 下流では聖なる川でありがたく沐浴する川ではあるが、冷たい水を我慢して、 川に浸かって頭のてっぺんから足先までシャンプーと石鹸で泡だらけになって洗う。
 洗うそばから、身体が震える。


 朝食が終わると、ヘブライ語で指示がでる。今日の予定と注意事項である。
 英語で同じことが告げられ、本日の予定がわかるのである。
 朝一番の行事は、目の前の川、激流でラフティングを行うという。
 なるほど、読めた。ガンジス河から、ヒマラヤを目指そうという魂胆が……。
 上流から数人が乗ったラフティングボートで下ってくる。
 その様子を川岸からカメラに収める。横にターバンこそしていないが、 見るからにインド人とわかる男が同じようにカメラを持ってたった。
 二十年以上前のアサヒペンタックスに二百ミリの望遠レンズをつけて激流を下ってくるゴムボートを撮っている。
 オレのキャノンに興味を示す。新しくはないがイオスだ。オートフォーカスを珍しそうに覗きこんだ。
「ラフティングは何が面白いのだろう……」
 タバコに火をつけて一休みを決め込んだ。すると、その男がタバコをねだる。
 自然の成り行きで世間話だ。
 インド男は、自分はカメラマンで、このエクスペディションを取材している。お前はわざわざ、日本からきたのかと、目を丸くした。
 名前はスベ○×△、■だと、自己紹介した。
 こちらも、名前を名乗った。そこで握手である。
 ところが、スベはその後もクルマが停まって休憩のたびに、タバコをねだるのだ。
「町でタバコを買ったら、返す……」
 そのうち、スベのパートナー、雑誌の編集者が現れた。
 ボブと名乗ったその男、大きな体格で腹がぼってりと突き出た男だった。
「これから下流に行くぞ、ラフティングで下った連中のクルマを運べって!」
 ボブはスベに声をかけて自分のクルマに戻った。
 二十台のトラカラーの四駆は北、ゆっくりしたペースでクルマは進む。
 ラフティング以降、クルマは確実に高地に向かう。


 周囲はブナの林や松林。その中のワイディングロードは快適そのものだ。高度が高まるにつれて、湿気は消え、軽井沢風の気候となった。
 キャンプ場とは思えない草原や、林の中でキャンプが繰り返される。

 

<続く>

早朝のキャンプ地。神聖なガンジス河河畔。目の前がヒマラヤからの雪解け水が勢いよく流れ、その水は冷たかったのだ。 参加者たちは、勢いのある河をラフティングボートで下る。河の轟音にかき消されない嬌声が川面に響く。
50名あまりが、順番に河を下る。午前中いっぱい、時間を費やしたのだ。 これが、昼食用のランチボックス。夕食、朝食の余りモノに果物や甘いお菓子が付いている。内容は毎日、大体同じだった。
インド人カメラマンのスベ○×△、■。旅行が終わるまで、スベで通した。なかなかのいい男。親切この上なしだった。 インドの自動車雑誌編集長のボブ。インドのクルマ事情や生活習慣や文化を丁寧に解説してくれた。腹の出た巨漢。
Written by 西村 光生
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